冬には暖かいコーヒーが恋しくなることもありますが、暑い夏には冷たいアイスコーヒーがぴったりです。
アイスコーヒーは単に冷やすだけではなく、作り方によってさまざまな風味を楽しむことができます。
どのアイスコーヒーを選ぶかは、個人の好みによって異なります。ここではいくつかのおすすめレシピとそれぞれの特徴を紹介します。
冷たいアイスコーヒーを楽しむ「急速冷却法」
この方法では、温かいコーヒーを急速に冷却します。多くの氷を使ってコーヒーを素早く冷やすことで、クリアでシャープな風味のアイスコーヒーができあがります。
氷と直接接触させることで即座に飲むことが可能となり、コーヒー本来の香りも保持できるという利点があります。
濃いめに抽出したコーヒーを氷が入ったサーバーに移し、そこで濃度を調整します。抽出量が減少するため、コーヒー粉を細かく挽いたり、抽出時のお湯の温度を高めるなどの調整が求められます。
理想的な配合は、コーヒー豆と氷を1:1の比率で用い、抽出時間は通常のホットコーヒーと同じにします。
冷水抽出で作るアイスコーヒー
コールドブリュー(水出しコーヒー)
家庭で簡単に作れるアイスコーヒーです。コールドブリューは、水とコーヒー粉を長時間(7〜8時間)漬けて抽出します。
この方法はホットコーヒーと異なり、熱を使わずに成分を抽出するため、すぐには飲めないデメリットがありますが、低温での抽出により苦味や雑味が抑えられ、滑らかでマイルドな味わいが特徴です。
専用の器具があると便利ですが、市販のティーバッグで始めることもできます。推奨の比率はコーヒー豆7gに対して水100mlです。抽出時間は7〜8時間です。
ダッチコーヒー(水滴式コーヒー)
コールドブリューと同じく水を使用しますが、ダッチコーヒーはコーヒー粉に直接水滴を落として抽出する方法です。
この抽出法は日本のカフェでは特に人気があり、起源はインドネシアです。マイルドな風味を引き出すためにインドネシアのロブスタ種が使用されます。
一滴ずつ水を落とすことで、クリアで甘みが強調された味わいが楽しめますが、専用の器具が必要です。
家庭用のコンパクトな器具も市販されているので、興味があれば試してみるのも良いでしょう。
氷を使って抽出するアイスコーヒー「氷出しコーヒー」
近年、氷を使ってコーヒーを抽出する「氷出しコーヒー」が注目されています。
この方法はダッチコーヒーに類似していますが、氷を使用することにより、独特の風味が生まれます。作り方は以下のステップに従います。
1. コーヒー粉をドリッパーにセットし、初めに水で均一に湿らせます。
(通常よりも一回り大きいドリッパーを使用するとより良いです)
お湯を使用する方法もありますが、水での抽出を推奨します。
2. コーヒー粉の上に氷をのせ、氷が完全に溶けるまで室温か冷蔵庫で待機させます。
氷の量は、通常のドリップコーヒーと同じ程度が適切です。室温で抽出する場合は、後から氷を追加することを考慮して、やや濃いめに抽出することをおすすめします。
氷出しコーヒーは、水出しコーヒーの繊細な香りを保ちながら、コールドブリューやダッチコーヒーの味わいを合わせたような特有の風味が楽しめます。苦味は控えめで、甘みが前面に出るのが特徴です。
アイスコーヒーの風味を調整する方法
苦味を強めたい場合
一般的に高温で抽出すると苦味が強まるため、アイスコーヒーで同じ豆を使用しても苦味が減少し、爽やかな味わいになります。苦味を増したい場合は、深煎りや非常に深い煎りの豆を選ぶことで、味のバランスを取ることができます(ロブスタ種がおすすめです)。苦味を引き出すには、急冷式の抽出が効果的です。
酸味を強調したい場合
温度が低いほど酸味が感じやすく、高温では酸味が軽減されます。アイスコーヒーでは自然と酸味が際立つため、浅煎りの豆を使用すると、そのフルーティーさが増し、豊かな香りが楽しめます。酸味をさらに際立たせたい場合は、水出しや氷出しのような低温抽出方法が適していますが、抽出時間が長くなるため、風味に変化が生じます。
甘みを引き出したい場合
甘みは体温くらいの温度で最も感じやすく、温度が離れるほど感じにくくなります。アイスコーヒーで甘みを強調するには、氷の量を減らすと効果的です。ダッチコーヒーやその他の低温抽出方法では、甘みがより引き出しやすくなりますが、時間がかかるため風味が変わります。急冷式を使用する際は、低温での抽出に注意することで、甘みがより際立ちます。
まとめ
アイスコーヒーは抽出方法によって様々な風味を楽しむことができます。苦味を強めたい場合は深煎りの豆を使用し、急冷式を適用すると良いでしょう。酸味が欲しい時は浅煎りの豆を選び、水出しや氷出しで低温抽出を行います。甘みを前面に出したい場合は、ダッチコーヒーや氷の量を調整すると効果的です。これらの方法で、自分好みのアイスコーヒーを見つける楽しみがあります。